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​押味先生 interview

2020 年 6 月 21 日(日)に、オンラインにて開催された Tokyo MEDS では、スタッフや当日の参加者の方々からの質問に押味先生より答えていただく、という時間を設けていただきました。

 

押味先生からの貴重なメッセージを以下にまとめさせていただいております。 

皆様、ぜひご覧いただければと思います。 

Question1

6月のMEDSの資料に”Tokyo MEDS ABC Rules”として”Be active. Be brave. Be curious”との記載がありました。

現在のような状況を受け、特にこの”ABC Rules”について学生の私たちに向け、何かメッセージなどがありましたらお聞かせ願いたいです。

​押味先生

世界の色々な情報をみる機会が増えたと思いますが、日本の専門家と欧米の専門家では振る舞い方が違うかなと感じたことがあるかもしれません。自分の専門外のことは話さなくていいと日本人は思うかもしれませんが、欧米の大学で教授をやっている人は自分が専門外だからという逃げはあまりせず、何に対しても自分なりの意見を持っているように感じられたのではないでしょうか。このような違いについては、学生の皆さんたちにも少し興味を持ってもらえたらと思います。

現在のような状況下で学べることとして一つアドバイスをというと、情報や判断を保留することも人間の大事な知恵であるということです。”保留をする”ということも大事な知能の使い方なのではないでしょうか。自分が最初に持っていたアイディアや取っていた立場と違う意見や情報が出た時、それをシャットアウトしてしまうとポジショントークしかできなくなってしまいます。特に現在のように先の見えない状況においては、「こういう意見もあるのか」「こんな情報もあるのか」と頭 のフォルダーに入れて、情報や判断をどこかで保留していく癖が大事なのかなと思います。皆さんに一言と言うとすると、「考えがコロコロと変わったとしても、それはそれでいいんじゃないかな」という感じですかね。

”Be active. Be brave. Be curious”についてですが、特に現在はコロナによる影響で active learningしかできない状況となっていますね。このような状況では、能動的に学習することが大切であり、日本と欧米の学生との間でも、また、日本の学生内でも、差が大きくなってきているのではと思います。オンラインの教育の可能性についてはTokyo MEDS Onlineに参加してくれた皆さんは特に実感してくれているのではないでしょうか。実際、日本の学生はオンライン教育に非常に適応でき始めていると感じています。しかしながら、やはり対面でないと学べないこともある。オンライン教育が普及した今だからこそ感じる、対面学習の必要性や大切さなどがあるのではないでしょうか。

特に医学部は対面で授業しないと学べないことが多かったと実感しています。知識だけでは育たないものというのがより明らかになってきたと思います。例えば、休み時間や部室などで語り合う時間、先輩、後輩、同級生など様々な立場の人と接することなど「余白の時間」のようなものが、人として、医学生として成長していく上では大切な時間でもあるのではないかと感じている近頃です。

早くみんながキャンパスに戻り、このような「余白の時間」が過ごせる日々が来る ことを願っています。

しかしながら、今、オンライン教育に適応できたこともそれはそれで忘れないよう にして欲しいですね。

Quetion2

海外と国内のClinical Clerkship (CC) の違いについて先生はどう思われますか。

押味先生

知識としては日本人の学生の方が多かったりするかもしれません。例えば、欧米 ではマイナー科目っていうのは勉強しないで、プライマリケアとして日本人が研修 医の時にやるようなことを欧米の学生は集中して座学で勉強しています。ですので、欧米の学生の方が使える知識やスキルが身についているように思います。日本はマイナー科なども細かく勉強しているのが欧米との違いですかね。そういう教育 の違いからか、日本人の学生の方が「やってごらん」に対応できないし、手も動か せない。まずは、「やってみよう!」「やってやる!」と思うことが日本人学生には求められているのではないですかね。このようなメンタルを日本人の学生にもぜひ持って欲しいものです。

次回のTokyo MEDSでは、「やってみよう!」「やってやる!」のマインドをとい うことで、History takingや身体診察、検査までのDiscussionなどをオンラインでも 学んでいけないかな、ということで検討中です。ぜひ、次回もお楽しみに。

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