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繋がり・出会い・ご縁に感謝

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今回も、前回に引き続き東さんのインタビューです。

​今回は、キャンサーペアレンツについてや学生に伝えたいことなどについてお話を伺いました。

 

 

 

 

―我々の企画をお聞きになってどう感じられましたか?

大学の枠を超えて交流し、色々な人の話を聞いて寄り添いたいと思っている学生さんがいることは本当に有難いです。学校の勉強だけで手一杯だと思いますので、頭が下がります。皆さんが、近い将来医学界や社会に出て活躍される日を想像すると希望が持てます。

 

―どのようにCPを知りましたか?病院などから友の会などの紹介はありましたか?

当時、病院からの紹介は全くありませんでした。横紋筋肉腫は希少がんなので、患者会や患者同士の交流の場がありませんでした。仲間や情報を求め小児がんのイベントやセミナーに参加していた時にGIST患者の会である“NPO法人GISTERS”の方々と”NPO法人Cure Sarcoma”の方々から声をかけていただき肉腫仲間ができました。患者会では沢山の楽しい活動を経験ができた一方で、難治性がんの集まりだけに別れも多く、覚悟して入ったものの別れは何度経験しても辛いです。 その後、メディアでキャンサーペアレンツを知り、2016年9月に登録しました。発覚して12年経過していましたし、しばらくは日記を書くことにためらいがありましたが、難治性のがん患者の話を自分も聞いておきたかったなという罹患した当時の気持ちを思い出し、「もしかしたら誰かの役に立つのかもしれない」という思いで1年半たったころに初投稿しました。最初の日記には病気発覚から12年目までの経緯やこの病気は諦めの悪い性格になるのが1番なのかもしれない。新薬、新治療や新しい治験がいつ出てくるかわからないので、どうか諦めないで欲しいという内容を投稿しました。

どのような状況であったとしても希望を持つことは出来るし、1日1回だけでもニッコリし、出来ないときは小さな幸せを探すようにしています。よく笑いますし、泣くときは思いっきり泣きます。

キャンサーペアレンツでは、肉腫以外の色々ながんの患者さんと知り合うことができました。希少がん治療は他のがんの薬を使用することが多いので、副作用や後遺症の悩みを共有できたのは大きかったです。また、お子さんのいる患者さんと交流し、思春期のお子さんがいる患者さんから自分も体調が悪く、子供も多感な時期で関わりが難しいと聞き、激しく共感しました。子供が成長するにつれ、違った悩みが出てきますね。

 

―ご旅行が趣味だと伺いました。旅行先での思い出深いエピソードなどはありますか?

一つ一つがとても思い出深く、思い出すと笑ってしまうようなハプニング旅行が多いです。宮古島の干潮時のみに現われるカヤックでしか行けない島は天国に近い島みたいで、パラダイスだと思いました。

元々いろいろな方とお話しするのが好きなので、旅行でもその土地の方々との会話を楽しんでいます。新しい事が発見できたり、ネットやガイドブックに掲載されていない穴場ポイントを教えてもらえたりします。

年齢問わず、今後の人生の過ごし方のヒントを教えていただいています。

今の目標は学生時代にお世話になったホストファミリーに会いに行くことです!

―東さんにとってキャンサーペアレンツとは?

先日旅立たれた西口さんの仰る通り、「繋がりは生きる力になる」「一人ぼっちじゃない」という事を改めて実感させてくれる場所です。

キャンサーペアレンツを通じて新しい繋がり・出会い・ご縁を沢山与えいただいたことには感謝しかありません。

私は思いや気持ちを表現するのが少々苦手ですので、読ませていただくのが専門なのですが、日記やコメントから元気をもらうことが多いです。

みんなで支えあっているサイトだと思います。

―医療系学生/その他学生に向けたメッセージをお願いします。

私はがんに罹患しましたが、難病を抱えている友人や大けがをして障害のある従弟もいます。

今後もがん・難病・障害を持っている方やそのご家族・ご遺族のお話に耳を傾けていただければと思っています。

年齢や背景、病種にかかわらず、ささいな話でも聞いてもらえると嬉しいですし気持ちが楽になります。

相談窓口は多い方がいいですから・・・

私はがんになって良かったことは何一つないと思っていますが、病気になってから沢山の出会いや思いがけない再会を果たしましたし、平凡な日常のありがたみも知りました。小さな幸せや感動を見つけることもできるようになりました。

人生に起こることや出会いは偶然ではなく必然だと思っていますし、ご縁を大切にしてもらえればと思います。

コロナ禍で不自由な学生生活を強いられていると思いますが、過去の国難の際に偉人は生まれたという話を耳にしました。

学生の皆様には、この状況の中で自分にできることを見つけ興味のあることにチャレンジして過ごしてください。

若い時の苦労・失敗・挫折は、きっと人生の糧となり良き思い出になると思います。

皆様が個性を発揮し、このコロナ禍をコロナチャンスと捉えご活躍されることを願ってやみません。

―横紋筋肉腫を知らない医師に対して思うこと

新しい病院にかかる際に既往歴の説明を求められた際に、少し面倒だと感じることがあります。横紋筋肉腫をご存知ないお医者様もいらっしゃるので、その都度説明しています。

10年経過しているのに何故通院しているのかと質問されることもあります。

少ない症例の中で13年経過後に再発する人もいるということや小児に比較的多いがんであることなどを啓発の意味も込め説明しています。

副作用や後遺症が多く、術後から現在に至るまで様々な科のお世話になりましたが、それぞれの先生が症状の緩和や治癒に向け治療して下さっています。

もし希少な病気の患者さんを診察することがあれば、その病気について少しでも興味を持っていただけるとありがたいです。

<お話を伺って>

インタビューを通して、ご家族の方々やキャンサーペアレンツの会員様をはじめ、他者との「つながり」をとても大切にされている方だということが身にしみて感じられました。

厳しい状況に直面された東さんだからこそ、日常生活の些細な出来事に他者への感謝の気持ちや幸せを見出すことができるのだと思います。自分も常に周りの方に支えられて生きているということを心に留めておきたいです。

この度は貴重なお時間をいただき、本当にありがとうございました。

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