
インタビュー記事 Vol.2
A.F 東京慈恵会医科大学 医学部医学科3年
Q1. 海外での経験について教えてください。
まず、私の海外での経験について少し話すと、私は小学校1年生の5月くらいから1年間だけ家族の都合でイギリスのグラスゴーに住んでいました。
現地校に通いはじめた頃は、転校生ということでクラスメイトから興味を持たれて話しかけられました。しかし、日本ではほとんど英語に触れていない状態でdogやcatの単語すら知らないまま移り住んだので、何も分からなくて辛い時期もありました。
しかし、学年が上がる前の夏休みに子供向けプログラムに参加して、大人の人が簡単な英語でゆっくり喋ってくれたことで少しずつ聞き取れるようになって、単語を言ったりしながら少しずつ喋れるようになりました。また、学校のクラスの子もついていけないことをわかってくれてゆっくり喋ってくれるようになりました。次第に、現地の英語に耳も慣れてきて表現の仕方なども学べることができたので、結果的にはとてもいい経験でした。
そのあとは、中学校3年生の夏休みにアメリカに短期ホームステイへ、大学1年生の3月にスタンフォード大学へ行く医学プログラムに参加しました。その際に、今までの海外経験とは違って、医学生として行ったので医学知識はもちろん、ディベートなどでは自分の思っていることを萎縮せずに述べようとする姿勢の大切さを実感しました。また、高学年の医学生と交流できたことで「医師として活躍する」と言っても様々な道があることを知り、低学年なりにも自分の目標を考えるようになりました。
Q2. 今の大学でやっている英語教育で足りないと思うことはありますか?また足りない部分をどのように補っていますか?
日本の大学で医療面接を学んだ時、私はとてもマニュアル通りで聞く順番や聞く文章まで全て決まっており、台本をそのまま暗記しているように感じました。しかし、私が当時イギリスに住んでいた時に病院を受診したときは、実際勉強したようには診察されたことがなかったので、今、大学で習っている医療英語だけでは実践するには足りないのでは?と思う部分がありました。そんな時に、Tokyo MEDSと出会い、ここで勉強しようと思うきっかけとなりました。
Q3. 学生のうちに留学に行く意義、利点はどのようなものがありますか?
スタンフォード大学のプログラムに参加したきっかけは大学だけの勉強では何か足りないと自分なりに思い、枠から外れて様々なことを英語で学びたかったからです。
留学先では他の参加者や現地の医学生のほか、臓器移植提供者の遺族やカストロ地区(LGBTコミュニティが発達した地域)のクリニック見学で出会ったスタッフなど講演をしてくださった方々など色々な経験をしている人と出会うことができました。
学生のうちに留学に行くことで、ただ英語を身につけるだけでなく、教養が身につけられたので、そういった意味でも私は行ってよかったと思っています。

Q4. 留学受け入れ先から求められている学生の能力は何だと思いますか?
スタンフォード大学のプログラム応募時のSkypeのインタビューでは喋れるか否かではなく、自分に芯があるかを見られていたと思います。きちんと意見を持って伝えられている子、話せなくてもとりあえず自分なりに何かやろうと工夫する子は良い印象を持たれていたのではないでしょうか。
留学先では自分が行きたいところを自ら設定して、自分でアポを取るといった自由行動が多かったです。そういう面でも、自分から行動しようという意欲や自立性が求められているなと感じました。

Q5.留学後、日本にいながら心がけるべきだと思うことは何ですか?
帰ってきた後も文通/電話などで定期的に連絡を取り合うことで、狭くなった視野を広く出来ると思います。日本にいると、日本国内の出来事に目を向けがちになってしまいますが、海外で知り合った人と連絡をとるとその地域でどんなことが起きているのかという話を聞くことができるので、視野を広げ直す良い機会になっています。他にも、帰ってきてから英語の耳がなまらないように英語のビデオを見たり、家の近くの米軍基地の中でバレエを習ったり、そこで知り合った人と連絡を取ったり、英語に触れる機会を増やすように心がけていました。

Q6.留学前後でMEDSの経験が活かせたことはありますか?
スタンフォード大学のプログラムに参加する前からMEDSに参加していました。しかしその時は1年生で、大学の勉強は教養科目だけだったので、医療系の知識がなく、正直何もわからず諦め半分の状態でした。
スタンフォード大学のプログラムに参加してから、全部が英語のMEDSでも、わからないなりに質問したり、周りの人に助けを求めたりして、わからないことをなあなあにしないように意識して勉強するようになりました。